診療案内

こんにちは、獣医師の佐古田です。
先週は異物の誤食で来院されたワンちゃんがとても多かったので異物誤食についてお話させていただきます。

 

好奇心旺盛な若いワンちゃんは何でも口に入れてしまいがちです。
噛んでいるだけだと思っていたら思わず飲み込んでしまったということは頻繁に起こります。
(牛の蹄、木、骨、金属のケージなどの硬いものは噛んでいるだけでも歯が折れたり欠けたりするため危険です!やめさせましょう!)

もし食べ物以外の物を飲み込んでしまった場合は、直ちに動物病院へ連絡してください。
食べた物によっては催吐処置ですぐに吐かせることで事なきを得ることが多いです。
催吐処置は出来るだけ早く、3時間以内には行うことが理想です。
夜中に飲み込んでしまった場合でも、「朝までまってかかりつけに…」などと考えずすぐに夜間動物病院へ連絡してください。

飲み込んで時間が経ってしまった場合や吐かせることが出来ない大きさ・形状の物の場合は、
内視鏡もしくは開腹手術で異物を摘出します。
先週行った内視鏡での摘出例をご紹介します。

 

Case 1.

主訴:1週間前にマスクの金属部分を飲み込んだと思う。4~5日間何度も嘔吐している。

 

まだ胃の中にありましたが、連日嘔吐を繰り返しているにも関わらず排出されていないため全身麻酔下で内視鏡により摘出しました。

胃の幽門部にへばりついていて周囲の粘膜は炎症を起こして真っ赤に爛れていました。

 

Case 2.
主訴:数分前にまち針を飲み込むのを見た。今のところ嘔吐や痛がる素振りはない。
 
食道に突き刺さっていなくて安心しましたが、催吐処置をすることで胃や食道に刺さる危険があるため全身麻酔下で内視鏡により摘出しました。

 

その他にウレタンマスク、キシリトール入りのガム、ぬいぐるみの中綿、チョコレート入りのお菓子、タマネギ入りのハンバーグ、ストッキング、指サック
を催吐処置で嘔吐させました。

先週は幸いにも開腹手術で摘出しなければならない症例はありませんでしたが、危険な誤食盛りだくさんの一週間でした。

誤食はご家族が注意すれば防げる事故がほとんどです。

お散歩中に拾い食いをしてしまう場合には、リードを短く持つ・口輪をつけるなどの対策をしましょう!

また、家の中にある危険な物をしっかり確認し、ワンちゃんの届かない場所に置く・蓋つきの容器にしまうなどして口に入れないように気を付けましょう!

2022年2月21日更新